乙女向けのリハビリ習作

拍手ありがとうございますm(_ _)m


大野智さん主演ドラマ「死神くん」を題材に、
女性向け恋愛ゲーム(乙女ゲーム)のような内容の
ショートストーリーを作ったらどうなるか、という感じで
お話を一つ作ってみました。

オリジナルの自作乙女ゲームの制作が上手くいかず
どう作りたいのか迷走しまくってるので、リハビリのために作りました。。
死神くん知らなくても大丈夫。。なはずです。。
結構甘いコテコテな内容です。耐性無い人は閉じてくださいね。


設定と違ったりキャラがぶれたりしてるかも。
許せる人、興味のある方のみどうぞ。
ぶっちゃけ自分のために作ったようなものなので
どうぞご了承いただければ幸い。短いのですぐ見終わります。。


『ぎゅっとして』


「えっ……ぼ、僕ですか?

私の要求に、彼は鳩が豆鉄砲を食ったような
面白い顔で聞き返した。


彼は死神……正式な名前は死神NO.413。
自分を責め、人生をやめてしまおうと思い立ち
自殺しようとしていた私を止めに来た。

彼が言うには、私が死ぬと天界の魂の数がどうとか……
死ぬ運命に無い人間が死ぬと、帳尻が合わなくなるらしい。
普通死神といえば、死ぬ運命にある人間の魂を
迎えに来るイメージだったが……
普段はそういう仕事をメインにしているらしいが、
予定外の死を食い止めるのも死神の仕事だという。

最初は信じられなかった私に対し、彼は空中を軽やかに
飛んで見せた。また、彼の姿は他の人には見えていないようで、
知人や家族に彼の事を話しても信じてもらえなかった。
その事実も手伝って彼が死神だと信じる気になった。


それから、彼との同棲生活が始まった。
いや、別に一緒に寝泊りしているわけじゃない。
ただ私のそばにいて、私が自殺しそうなそぶりを見せると
止めに入る。それだけ。それにいつも居るわけじゃない。
彼には本来の死神としての仕事もあるから、居ない事も多い。

と、いうか。もう5日目だ。

彼が悪いんじゃない。私が彼と一緒にいたいがために、
引き止めたくて自殺を諦めきれないふりをしているのだ。
もうとっくに自殺の意思は薄らいでいる。
もっとも……彼が居なくなったら、また私は
どうにかなってしまうかもしれないという不安もあったが。


「迷惑?
「いやっ、迷惑と言うわけでは……
 ただ、何で僕なのかなぁという疑問が湧きまして。
「やっぱり迷惑なんだ。
「だから迷惑じゃないですって!
 僕でいいんだったら、しますよ。
 貴女の自殺を止めるのが僕の仕事ですから。


―仕事ですから―

その言葉に、少しばかり胸が締め付けられる。
おかげで彼に抱きしめてはもらえるけれど、
彼にとっては、あくまで仕事なのだ―……

何故私がここまで死神に固執するか。
さっきから引き止めたり抱きしめてほしいと要求したり、
まるで……。

そう。恥ずかしながら、私は彼に恋をしてしまった。
最初は私の好みのタイプだから、もうちょっと
眺めていたい、そんな軽い思いだった。
彼自身は「女性にはモテない」と言っていたが、
よく見ると可愛い顔をしている。
確かに女性をリードするのは下手だしどこか抜けているけど、
人間の男と違ってまったくギラギラしていない
ピュアなところが、私にはたまらなく魅力的に映った。


「じゃ、失礼しますよ……。


死神はぎこちない動きで、恐る恐る私を抱きしめた。

死神の体温はあまり感じない。ひんやりと冷たい。
彼が人間ではないからなのかどうかは、
私には分からない。というか、どうでもいい。

……彼は任務を全うしているだけ。
いかに人間くさい感情を持っているとはいえ、
恋愛感情まではないであろう事は分かっている。
人間の美的感覚には興味も理解も示さない彼だ、
女や色恋沙汰なら尚の事……

けれど、それでも嬉しかった。彼に触れてもらえる事が。
ああ、このまま時が止まればいいのに。
使い古された言葉が、何故使われ続けるのか
今の私にはよく分かる。


「あれっ、こんな感じだったっけかな?
「……どうしたの?
「いやっ、もっと……人間の男女は情熱的に
 抱き合ってた氣がするぞ。


死神は一旦抱きとめるのを止め、身体を引き離す。


「っ…………ごめんなさい。
「死神……?
「ははっ……人間の男女の真似をしてみたけど、
 僕には敷居が高かったようです。
「ほんっと、駄目ですね……僕。


意外な言葉だった。

仕事だと思っているなら、こんな事言わないはずだ。
相手の要求を聞けば済むのだから。
つまり、それは……

いや、勘違いするな。相手は死神だ。
人間とは、違うんだから。彼は優しいから、
単に私を気遣っただけ。そう、気遣った……だけ……。


「なんか、貴女を見ていると落ち着かないんですよ。
 それで上手くいかないみたいで。
「落ち着かないって……なんで? いつから?
「それが分からないんです。ふと気が付いたら
 こうなってました。
「具体的にどういう状態なの?
「だから……上手く説明できないけど、
 貴女を見ていると 胸の真ん中の奥が
 こう、急にソワソワしだして……
「仕事中も貴女の事を考えて、ミスしちゃって
 僕、どうかしちゃったんですかね?
「…………。

「ごめん。
「何で謝るんですか? 悪いのは僕ですよ。
「違う。私が引き止めちゃったから。
「本当は私、自殺の意思なんかとっくに無いの!
 なのに、貴方と一緒にいたいからって
 まだ引きずってるフリしてたの!
「嘘ついて引き止めて、我がまま言って困らせて……
 ごめん……なさい……

「…………違いますよ。
「…………え?
「すみません、僕も嘘ついてました。
「貴女に自殺の意思が無いことは、3日目あたりから気づいてました。
「じゃあ、何で……
「……貴女との繋がりがなくなるのが、嫌だったんですよ。
「先ほどの胸のソワソワといい、
 どうも僕は貴女と相性が悪いようだ。
「それって……私の事が好き、って解釈していいの?
「好きというのは、人間の恋愛感情のことですか?
「私が聞いてるんだけど。
「や、だから分からないんですよ。
 こんなの、生まれて初めてだから。
「ただ……一つだけ分かった事があります。
「僕は貴女と一緒にいる資格が無いようです。

「貴女の気持ちを汲み取ることが出来ない。
 抱きしめてほしいという願いもろくに叶えてあげられない。
「僕は人間とは違うんだなって、つくづく思い知らされました。
「だから、貴女と離れようと思います。
「っ……ちょ、ちょっと待って
「貴女の口から自殺の意思が無いことを確認できたので、
 心残りは……ありません。
「今後、貴女が僕を見る事はなくなります。
「人間の男性と、幸せになってください。
「……嫌…………嫌…………
「……さようなら。


「嫌ぁ!!


私は思わず、後ろから彼に抱きついてしまった。


「っ…………あっ、あの……?
「行かないで! お願い!!
「私との繋がりが無くなるのが嫌だって言ってたよね?
 一緒にいたくないわけじゃないんでしょ?
「それは……でも、長く居すぎるのは……
「……大好きなの。
「貴方のことが、大好きなの。
「……人間の男は星の数ほどいます。僕なんかより素敵な人が……
「貴方より素敵な人なんかいないよ。
「………………。


死神は戸惑っていたが、やがてゆっくりと
こちらを向くと、私を抱き返した。

相変わらずぎこちないけど、優しい腕。

彼の吐息が私の肩にかかり、くすぐったくも気持ちがいい。
華奢な手が、私の背中を受け止める。
細くて綺麗で、でも女の私とは違うゴツゴツと骨張った感触。
私の大好きな手だ。

気のせいか、頬が紅潮しているように見える。
眉がハの字のような形になり、額から汗がにじみ出ている。
彼のこんな顔を見るのは初めてで、私は思わず魅入ってしまった。


「人間が恋というものをする理由が、何となく分かった気がします。
「しようと思ってするのではなくて……
 気が付いたらそうなっている。そういうものなんですね。
「…………もう少し、貴女の傍にいさせてください。



…………

彼から聞いた事がある。死神にも寿命があるのだと。
死神の寿命は、どうやって減っていくんだろう。

出会わない方が良かったと、いつか後悔するのだろうか。


お願い神様。
どうか死神と、一日でも長くいさせて。
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Author:福井寝子
30歳の女。ゲーム制作再燃。
社会不安障害(ネットで会話は可能)。
嵐の大野さんとゲームと猫が生きる糧。

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